はじめに

 このたび、現代社会学科の3年生が中心になって、ゼミ連絡会誌を発行することになりました。現代社会学科では3年生になる時、それぞれゼミを選択します。このゼミは3年、4年と、二年間連続して受講します。平均すると15名から20名ほどの小グループに分かれ、一人の先生の指導を受けることになります。先生方はそれぞれの持ち味を生かした指導をして下さいます。ですから、「他のゼミではどんなことをしているの?」という質問がよくおきます。そこでこのたび、ゼミ連絡会誌を作って、相互にゼミの活動を紹介し合うことになりました。

 この企画を提案したのは、学生諸君です。ということは、この雑誌は学生諸君のアイディアと企画と努力の結晶です。大勢の人々に原稿を依頼し、それを集めて、一冊の雑誌にまとめることは、楽に見えて決して楽な仕事ではありません。この面倒な仕事を自分から買ってでた3年生には、心から感謝します。

 現代社会学部には、いろいろな「仕掛け」が仕掛けてあります。この「仕掛け」は時間割には載っていないし、履修要覧にも載っていません。私達教員も敢えて皆さんに教えないことにしています。多少意地が悪いかも知れませんが、学生諸君がこの「仕掛け」にかかるのを、密かに見守っています。

 たとえば昨年は、学生諸君が学部の紹介ビデオを完成させました。これは大変な評判を呼びました。1年間かけて学園生活の様々な場面をビデオに納め、何10時間にもおよぶテープを、パソコンを使って20分ほどに編集しました。これこそ現代社会学部に仕掛けられた「仕掛け」です。現代は、活字に代わって映像が重要な役割を演じはじめています。それとともに、ビデオ・ジャーナリズという新しい活動分野が登場し始めています。あるテーマを立て、いろいろな人を取材して、一本のビデオに纏め上げ、それを通じて社会に訴えかけてゆくという、新しい情報発信活動です。現代社会学部のコンセプトにこれほど適った活動分野はありません。将来は現代社会学部卒業生のなかから、ビデオ・ジャーナリストが生まれることを、私達は心密かに待っています。

 この雑誌の編集も、その「仕掛け」の一つです。現代社会学部には、将来、出版、マスメディア、広告、マーケッティングなどの分野で活躍したいと希望している人がたくさんいます。このゼミ連絡会誌の編集を通じて、編集という仕事がどれほど大変かを体験したはずです。また、一つの雑誌が完成した時に、どれだけの達成感と充実感を実感できるものか、自分の身体の中に刻み付けたことでしょう。これは優れた前例となって、現代社会学部の後輩達に引き継がれてゆくことでしょう。その意味で、このゼミ連絡会誌は後輩達にとっては、またとない教科書となることでしょう。将来は現代社会学部出身者から、優れた編集者が誕生することを、私達は心から待ち望んでいます。

現代社会学部長 潮木守一