まえがき

現代社会学部長 潮木守一

現代社会学部が発足したのは、平成10年4月のことである。初年度はまだ教員数も少なかったが、年を追うごとに充実し、現在では専任教員32名を擁するまでになった。現代社会学部の構想を練る時、いくつかの新しい特徴を盛り込もうとしてが、その一つが教員層の多様性ということであった。できるだけ、異なった背景、経歴の方々に集まっていただくことを考えた。同じような背景を持った人間ばかり集まるのでは、刺激はないし、活気もでてこない。専門・年齢が違うのは大学として当然だが、このほかに意図的にこれまでのキャリア、経歴、国籍、性など、なるべく異なった背景を持った方々に集まっていただくよう心がけた。現代社会学部の強みは、まさにこの教員の多様性にある。

現代社会学部が対象とする分野は、今まさに我々が生きている現代社会そのものである。この現代社会がどのように変化しようとしているのか、このなかで我々が一市民としてできることは何か、これを考え、教え、実行するのが、現代社会学部の使命である。こうした使命を果たすためには、我々は多様な経験を必要とする。さまざまな立場の人々、多様な考え方の持ち主との対話が必要である。そのためには、さまざまな現実場面に直接出むいて行かねばならない。武蔵野の一角に朝から晩まで閉じこもっていては、ろくなことができない。

学部長として学部構成員に常日頃期待していることは、できる限り機会をつかまえて、外部へでていって、経験を積んで貰うことである。教師にとって、最大の教師は経験であり、体験である。それも外から与えられた経験・体験ではなく、自ら求めて、自ら獲得した経験であり、体験である。どれだけ多様な経験に恵まれたかで、教師としての力量、研究者としての力量が決まってくる。

お蔭様で現代社会学部構成員は、さまざまなタイプの活動を多彩に展開している。この紀要にはその一端が示されている。学部発足後2年にして、現代社会学部紀要第一号を刊行できたことは、感慨深いものがある。学部立ち上げの多忙のなか、寸暇を惜しんで原稿をまとめてくださった学部構成員各位に感謝したい。また我が学部の多様な活動の一端は、ホームページ、http://www.musashino-wu.ac.jp/gensha/index.htm に搭載されているので、あわせて参考にして頂きたい。